我が国は2022年11月11日現在までに,人類初めてのメッセンジャー RNA(mRNA)脂質ナノ粒子新型コロナウイルスワクチンを全国民の83.1%に接種したが,2022年10月28日現在,厚生労働省に報告されたワクチン接種後死亡は1,910人に達し,ワクチン接種後の遷延する副反応を訴えて,各自治体に開設されている相談窓口を訪れた人は数万人を数えるに至っている.
 本稿では,1.SARS-CoV-2 mRNA脂質ナノ粒子新型コロナウイルスワクチン2回目を接種後5日目に心筋の横紋筋融解症で死亡した28歳の健常男子の症例を提示,因果関係について論述し,2.厚生労働省に報告された,ワクチン接種後に死亡した千数百例の極めて特異的な臨床医学的特徴と,3.拡大する健康被害の実態に言及,4.ワクチン接種者における感染率の増大の事実について概説し,5.結論として,健康・医療政策上なすべきこと以下3点を指摘した:①予防接種法に基づく速やかな被害者救済認定と補償,②厚生労働省に報告のあったワクチン接種後死亡例ならびに報告されていないワクチン接種後死亡者の全国調査,③ワクチン接種後の副反応によると考えられる健康被害の全国全例調査.

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※本稿は臨床評価誌(Vol.50, No.4, 2023)に掲載されています。臨床評価誌はこちらよりご覧いただけます。