LHS研究所で実施している新型コロナワクチン関連の情報開示請求と訴訟に関する概要と資料
LHS研究所では、新型コロナワクチン関連で5件の行政文書開示請求を行い、そのうち3件で、不開示決定及び、不十分な開示についての取消しを求める訴訟を行っている。
行政文書開示請求・訴訟を行った理由 ① 新型コロナワクチンの有効性・安全性についての十分な情報開示がされていないため、行政文書開示請求や訴訟で情報開示を要求して、その開示内容を確認し、広く開示を行うため。必要によっては、開示されたデータの解析を自ら行い、新型コロナワクチンの有効性・安全性の検証を行うため。 ② 国と各製薬会社との間で結ばれている新型コロナワクチンの購入契約に、薬機法上の罰則や製造物責任を逃れる免責条項や、第三者によるワクチンの有効性・安全性の検証試験を行う際に阻害する条項がないかなど、国民にとって著しい不利益条項があるか否かを国民の前に明らかにする必要があると考えたため。
以下の表に、5件の行政文書開示請求と3件の訴訟についての概要と各資料(開示された行政文書情報、訴状や証拠、判決等)へのリンクを記載する(3件の訴訟に関する詳細説明は下部にあります)。
| LHS研究所で行った 行政文書開示請求 |
結果 | 資料リンク先 |
|---|---|---|
| (1)新型コロナワクチン未接種及びワクチン接種した高齢者について65歳から79歳の年齢層における感染者の重症化率および死亡率 | 要求した情報開示なし 訴訟 (事件番号:令和 5 年( 行 ウ )第 44 号、令和5年( 行ウ) 第297号) 地方裁判所、高等裁判所で敗訴 |
(1-1) 行政文書開示請求 (1-2) 訴訟 事件番号:令和5年(行ウ)第44号、第297号、令和6年(行コ)第157号 行政処分取消請求事件 |
| (2)新型コロナワクチン購入契約書(ファイザー株式会社、モデルナ株式会社、アストラゼネカ株式会社、武田薬品工業株式会社等) | 不開示 訴訟 (事件番号:令和5年(行ウ)第255号) 地方裁判所で勝訴 |
(2-1) 行政文書開示請求 (2-2) 訴訟 事件番号:令和5年(行ウ)第255号 行政処分取消請求事件 |
| (3)新型コロナワクチンの詳細な安全性に関わる非臨床試験の全データ、及び臨床試験で生じた有害事象の全データ | 情報開示継続中 | 近日開示予定 |
| (4)新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理システム(HER-SYS)の全データ(CSVファイル等の電子データ) | 全て黒塗りのデータ開示 訴訟 事件番号:令和6年(行ウ)第94号) |
(4-1) 行政文書開示請求 (4-2) 訴訟 事件番号:令和5年(行ウ)第94号 行政処分取消請求事件 |
| (5)ワクチン接種記録システム (VRS)の全データ(CSVファイル等の電子データ) | 不開示 地方自治体へ開示請求予定 |
近日開示予定 |
行政文書開示請求・訴訟についての詳細説明
(1)「新型コロナワクチン未接種及びワクチン接種した高齢者について65歳から79歳の年齢層における感染者の重症化率および死亡率(致死率)」について
日本では2021年に入り、新型コロナワクチンが特例承認され、接種が開始されたが、その有効性(感染防御、重症化防止、死亡者数削減)について、国や製造販売している製薬会社が主張するような効果が認められているのか、厚生労働省の発表資料である新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの資料を確認したところ、2021年7月時点の新型コロナ陽性者のワクチン接種回数と致死率の資料(第50回 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料2-6)があり、ワクチン未接種者とワクチンを1回及び2回接種者の致死率の比較がされていた。そのデータによると赤字で記載されている65歳以上では未接種者の致死率2.83%、ワクチン1回接種者の致死率2.35%、ワクチン2回接種者の致死率1.22%と、ワクチン接種により致死率が低下しているが、全年齢では、未接種者の致死率0.12%、ワクチン1回接種者の致死率0.41%、ワクチン2回接種者の致死率0.58%と、ワクチン接種により致死率が増加しているという逆の結果となっていた。その後、日本全国の新型コロナ陽性者のワクチン接種回数と致死率のデータをまとめた資料は公表されず、一部地域でのデータが4回公開されただけであり日本全体の状況が不明であった。また、ワクチン接種が進んで国民の80%以上が2回以上のワクチン接種した後にも、感染者(陽性者)数や死亡者数を抑えることが出来ていないということが、厚生労働省のオープンデータからも分かる。
一方でワクチン接種歴別の新型コロナ陽性者のデータは、2022年9月7日開催の第98回 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードの資料まで公開されており、例えば2022年7月22日開催の第92回の資料(第92回 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料2-5)では、ほとんどの年齢層でワクチン未接種者の方が10万人当たりの新規陽性者数が少なく、例えば65-69歳の10万人あたりの新規陽性者数は、ワクチン未接種者で66.5人、ワクチン2回目接種者で265.5人、ワクチン3回目接種者で169.5人となっており、ワクチンによる感染予防効果は見られないという結果となっていた。そのため、重症化や死亡を抑えることができているのかについて確認しようとデータを探したが見当たらなかった。そこで行政文書開示請求により、先に挙げた厚生労働省が開示しているアドバイザリーボード資料と同じ時期2022/7/1‐2024/7/17の「新型コロナワクチン未接種及びワクチン接種した高齢者について65歳から79歳の年齢層における感染者の重症化率および死亡率」について行政文書の開示請求を行ったところ、該当する文書の開示がなされなかったため、訴訟(事件番号:令和 5 年( 行 ウ )第 44 号、令和5年( 行ウ) 第297号)を行った。
訴訟の結果、東京地裁、東京高裁において「原告の請求を棄却する」との原告敗訴の判決が出た。その理由として、
- 該当する文書が存在しないため
- 第90回新型コロナアドバイザリーボードで「ワクチン接種の疫学的な効果を事後的に評価・検証するにあたって、感染者の重症化率や致死率等をワクチン接種歴別に単純に比較することは不適切である」との見解が示めされたため、以後重症化率・致死率の比較を行う文書を作成しないことになった
という信じがたい理由が提示された。
【参考資料:新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料】
第50回 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料2-6
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000826597.pdf
第92回 新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード資料2-5
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000970022.pdf


(2)「新型コロナワクチン購入契約書(ファイザー株式会社、モデルナ株式会社、アストラゼネカ株式会社、武田薬品工業株式会社等)」について
新型コロナワクチンの購入契約は、国と各製薬会社との間で結ばれており、その内容は公開されていない。しかし、アメリカとイスラエルでは開示を求めた訴訟の結果、アメリカではファイザー及びモデルナとの契約書が、イスラエルではファイザーとの契約書が公開されている(以下のリンク参照)。また、EU、ブラジル、アルジェリア等とファイザーとの契約書が非公式であるがネット上で公開されている。それらの契約書では製薬企業の免責条項や、返品を受け付けないという条項、ワクチン効果検証のための研究への使用も含めた目的外使用の禁止などの条項があり、日本国との契約書も同様に薬機法上の罰則や製造物責任を逃れる免責条項や、第三者によるワクチンの有効性・安全性の検証試験を行う際に阻害する条項がないかなど、国民にとって著しい不利益条項があるか否かを国民の前に明らかにする必要があると考え情報開示請求を行ったが、不開示となったため訴訟を行った(事件番号:令和5年(行ウ)第255号)。
その結果、
- 本ワクチンの供給に関してファイザー社等が収受する金額、本ワクチンを供給する際の具体的方法、本ワクチンの所有権の取扱い、公表されていない開発状況を踏まえた対応等が挙げられるところ、これらは情報公開法5条2号イの不開示情報に該当する。
- 不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるとき(情報公開法6条1項)に該当しない。
- 他国とファイザー社等とのワクチン供給契約に記載された取引条件と少なくとも同条件で契約を締結するよう迫られる可能性がある。
- ファイザー社等の企業のノウハウが流出し、同社の競争上の優位性が失われる可能性がある。
との理由から開示できないとの被告(厚生労働省)代理人の回答があった。
しかし、公表されていない開発状況を踏まえた対応等があるのであれば、該当箇所を黒塗りとして公開することも可能である。他国の契約書と比較して、今後より有利な契約を製薬会社と締結する根拠とすることもできる。また、契約書に国民が第三者機関にワクチンの品質や安全性にかかわる検証を独自に行うことを阻むようなものがあるかどうかは,国民の健康及び生存権に重大なかかわりを持つものであり,公益上の義務的開示を行うべきとの理由から、訴訟を継続し、2025年10月9日 に東京地裁において「厚生労働省が原告に対して令和5年3月3日付でした行政文書不開示決定(厚生労働省発健0303第3号)を取り消す」との原告の勝訴の判決が出た。
それに対し被告(厚生労働省)は、東京高等裁判所に控訴を行い、 2026年5月12日現在、訴訟を継続している。
【参考資料:各国の新型コロナワクチン購入契約公開先】
(1) ファイザーとアメリカとの契約公開先
・米国保健社会福祉省
https://www.hhs.gov
・公開文書
Pfizer-inc-covid-19-vaccine-contract.pdf – PDF
https://www.hhs.gov/sites/default/files/Pfizer-inc-covid-19-vaccine-contract.pdf
(2) モデルナとアメリカとの契約公開先
・米国保健社会福祉省
https://www.hhs.gov
・公開文書
Moderna-covid-19-vaccine-contract
https://www.hhs.gov/sites/default/files/moderna-covid-19-vaccine-contract.pdf
Moderna-vaccine-contract-mods-7-thru-10
https://www.hhs.gov/sites/default/files/moderna-vaccine-contract-mods-7-thru-10.pdf
Vaccine-contract-with-moderna-modifications-p00001-p00002-p00003.pdf – PDF
https://www.hhs.gov/sites/default/files/vaccine-contract-with-moderna-modifications-p00001-p00002-p00003.pdf
(3)ファイザーとイスラエルとの契約公開先
・イスラエル保健省
https://www.gov.il/he/departments/ministry_of_health/govil-landing-page
・公開文書
פורסם הסכם שיתוף המידע עם חברת פייזר(Data sharing agreement with Pfizer published)
https://www.gov.il/he/departments/news/17012021-02
(4)「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理システム(HER-SYS)の全データ(CSVファイル等の電子データ)」について
新型コロナワクチン未接種及びワクチン接種した高齢者について65歳から79歳の年齢層における感染者の重症化率および死亡率(致死率)のデータが開示されないため、新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理システム(HER-SYS)の個人情報を除いた全データの開示請求を行った。HER-SYSデータが開示されれば、LHS研究所や各アカデミア研究者がデータ解析を行い、新型コロナワクチンについての評価が可能となるためである。しかし、開示されたデータは、項目名以外がすべて黒塗りとされたものであったため、訴訟を行った(事件番号:令和6年(行ウ)第94号)。
その結果、追加の情報開示が行われたが、前回と同様に項目名以外がすべて黒塗りとされていたため、個人情報を除いたデータの開示請求を求めて、2026年5月12日現在、訴訟を継続している。

開示されたデータ例
また、2024年4月からHER-SYSを含むデータが、「新型コロナウイルス感染症を含む感染症関連情報(発生届等の情報等)を格納した匿名感染症関連情報データベース(iDB)」として、小委員会で審査の後、匿名感染症関連情報を提供されることになったのであるが、
大学等が国のプロジェクトとして利用をすることを想定したものであり、研究計画の提出が必要かつ、データをクラウドに上げることができないなど管理が厳重で、管理する人員と設備が必要で費用がかかり、小規模の法人や、個人で開示請求を行っても認められないものであったため、対応を検討しているところである。
【匿名感染情報の第三者提供の利用に関するホームページ】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/idb_index.html
