健康寿命延伸・要介護ゼロの長寿活力社会の建設を目指すLHS 研究所の事業の一環として、皆様に中医学の基礎を学んでいただくきっかけとして中医学講座を開講します。

わが国では漢方と呼ばれて古くより広く浸透しておりますが漢方は中医学とは大きく異なっており、科学的評価が著しく歪められてきました。漢方薬の中に効果があるといわれているにもかかわらず精度の高い臨床試験でその効果を実証されたものはほとんどありませんでした。

しかしながら、漸く最近、わが国の研究者によって難治性疾患である潰瘍性大腸炎に対して漢方薬である青黛に効果があることが臨床試験で実証され、また外科手術後の腸機能回復に大建中湯に効果があることも臨床試験で実証されました。

加えて驚くべきことに、台湾のビックデータ解析から多くのがん、脳卒中、心不全、自己免疫疾患等々多くの疾患に対して、中薬(わが国では漢方薬と呼んでいますが今後は用語統一が必要です)を併用する方が予後が明らかに良いことが判明しております。

再生医療が実現し、腸内細菌叢のただならぬ役割が判明しつつあり、私たちの疾病の理解は新たな段階に入りました。
またそれによって、創薬の概念も大きく修正を迫られています。そのような中で、上述の事実は、これまでの西洋医学的アプローチだけでなく、中医学の理論と実践を学ぶことによって新しい医学・医療体系を創出できる可能性があることを示しております。

よって、講師として実践経験豊富で多くの実績を挙げられている中医師の雲瑶先生による中医学講座をご案内する次第です。
多くの先生方の受講を期待しております。

令和三年長月

福島雅典
一般財団法人LHS研究所 代表理事